『時をかける少女』で千昭は、絵画・白梅ニ椿菊図を観るために未来からやってきます。
この絵は数１００年前に描かれたもの…ということですが、本当にそうなのでしょうか？
この絵の意味を紐解くと、もしかしたら未来から持ってこられたものかもしれないことが分かりました。
そして、二人はまた会えるのでしょうか？
この記事では、『時をかける少女』に登場する絵画・白梅ニ椿菊図の意味と、未来から持ってこられた可能性＆ふたりがまた会えるのか、について考察しています。
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『時をかける少女』絵画・白梅ニ椿菊図が意味するものとは？
『時をかける少女』でストーリーのカギとなる絵、白梅ニ椿菊図とはどのような絵なのでしょうか？
また、この絵は何を意味しているのかを考察してみました。
白梅ニ椿菊図は、数１００年前の世界が終わりそうなときに描かれた
和子「この絵が…描かれたのは、何百年も前の歴史的な大戦争と飢饉の時代…『世界』が終ろうとしていた時、どうしてこんな絵が描けたのかしらね…」
これは「白梅ニ椿菊図」と名付けられた絵で、現実には存在しません。 pic.twitter.com/ZeInyCJp7m— アンク＠金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) July 17, 2015
千昭は未来からやってきた青年で、目的は『白梅ニ椿菊図』という絵画を観るためでした。
しかし、せっかくやってきたにもかかわらず、白梅ニ椿菊図は修復中で観ることができません。
修復しているのは、 魔女おばさんこと、芳山和子。
魔女おばさんが原作の「時をかける少女」の主人公なのはまじですごい✨
やっぱ奥が深いなぁ#時をかける少女 #時かけ pic.twitter.com/aQ0GZQA9kX— うさmimi (@usapyone) July 20, 2018
和子はいわずもがな、初代時をかける少女の主人公です。
原作とアニメ映画はつながっているんですね！
そして、白梅ニ椿菊図は、全体的に土っぽい色合いで、中央に女性のような姿が青いものをやさしく抱いているような絵です。
周りを取り囲むのは竜の様な影。
抱きしめられているものは地球のような、惑星のような、宇宙のような…不思議なほど深いものが感じ取れますよね。
和子はこの絵についてこう語っています。
世界が終ろうとしていた時に、どうしてこんな絵が描けたのだろう。
ずっと見ていると、不思議とゆるやかな気持ちになる。
白梅ニ椿菊図は、未来に描かれたもので、未来から持ってこられたのではないか？
白梅ニ椿菊図について、私はこのように考察しています。
そして、この絵は千昭の住む未来のそのまた先の姿なのではないか？
今夜は時かけ。
時をかける少女は大林監督のを知ってたけど、ある日たまたま見つけた同タイトルのアニメ。なんとなくみてズキューーン！！って嵌まった。千昭が…千昭が忘れらんねぇよおおおお。私の未来でも待っててぇえええーーー！！！ pic.twitter.com/xI1ixbFCn9— bon (@mystooo) July 17, 2015
未来で絵を描いて、過去へと運んだのはケン・ソゴルではないか？
こうであったらいいな、という願いも込めた考察なのですが、白梅ニ椿菊図を描いたのは初代のタイムトラベラーであり、タイムリープする薬を作っていた未来人・ケン・ソゴルではないかと考えています。
原作で登場したケン・ソゴル(一夫)は７００年後の未来から来ています。
時をかける少女（1983）
筒井康隆原作📖
大林宣彦監督🎬青春期の淡い恋物語😢
尾道の古い町並みが、ノスタルジックで甘く、切ない雰囲気を出している情感を盛り上げる…
大林宣彦監督は少女の一番、輝いてる時を撮るのうまいなぁ…#映画好きと繋がりたい #映画好きな人と繋がりたい pic.twitter.com/p20k2MWDQB
— 菜の華うどんと愉快な仲間たち😊 (@iCzwxllWmfytfUa) July 19, 2021
もしかしたら、千昭の生きている時代よりももう少し未来なのではないでしょうか。
そして、未来は大丈夫だ、世界は終わらない。終わらせてはいけない。と同じタイムトラベラーたちに伝えるべく、文書でも手紙でも音声でも動画でもなく、絵という形に残した。
あの絵には、壊れそうな世界でも、それでも守り続けている人がいる、まだ確かな愛がある、地球も宇宙もきっと守っていける。生み出されるものがある。そんなメッセージが込められているのではないでしょうか。
和子が修復しているのは、もしかしたら記憶が戻ったのかもしれないし、和子を忘れられないケン・ゾゴルがまた会いに来たのかもしれない。
ふたりに記憶がなくても、運命で結ばれているのでまた出会い直したのかもしれない。
とにかくふたりは、未来を守るために違う時間の中で共同作業をしている…
会うことも触れることもできない、でも確かに、同じ時を生きているのです。
そう考えると、なんて壮大でロマンチックな任務なのでしょう。
『時をかける少女』真琴と千昭はまた会えるのか？
「未来で待ってる」
「すぐ行く！走っていく！」
ラストシーンでのこのセリフのやり取りは、あまりにも美しく切なくて、涙なくしては見られない名シーンです。
それでは、このやりとりの意味と、ふたりはまた会えるのか？という疑問について考察します。
真琴は絵の修復に走っていったのではないか
すぐに走っていく！というセリフには、多くの方が様々な見解を示されていますが、これは時を飛び越えて実際に会いに行くという意味ではなく、千昭が観たくても観られなかったあの絵を、未来の千昭に届けるという意味合いだと考えています。
今生きている現実で行ったことが、未来を確実に変えるという意味合いでは、その後のふたりを想像するととても感動的な瞬間が訪れるのではないでしょうか。
真琴が絵の修復に尽力し、そしてその絵を守り続けることができれば…
千昭の生きる未来にもその絵が存在することとなり、千昭はその絵を観ることで、時空を超えて真琴を感じることができるのです。
今行うことが、すぐに未来を変えると実感できるというのも、この作品がもたらしてくれる素敵なメッセージだと思います。
ふたりはまた会えるのか？
『時をかける少女』
夏が近づくと必ずと言って良いほど観たくなります。🎐 𓈒𓏸
タイムループがもしも使えるとしたら、私はどんな風に使ってどの瞬間に戻るんだろう…何をするんだろう…誰に何を伝えたい？？「未来で待ってる」
時を超え、2人の想いは変わらない…
Time waits for no one. pic.twitter.com/9ojb7aHEVG— 𝙖𝙣𝙣𝙚 (@l19290504l) May 31, 2022
ルールで言えば、ふたりはもう会うことができないと思います。
千昭は、真琴の記憶を消すことをしませんでした。
そうなると、ルール上ではふたりはもう二度と会うことはできないのです。
でも、絵を届けることと受け取ることで、時空を超えてお互いを感じることはできる。
また、もう会えない引き換えに、ふたりは記憶を大切にすることができます。
記憶の中では、永遠にお互いが生き続けるのです。
初代では、和子はケン・ソゴルの記憶を消されてしまいました。
だからこそ、また会えたのかもしれませんが…。
どっちが幸せなのでしょうね。
記憶がない状態でもう一度出会い直せるのと、永遠にその人の記憶を抱きしめて生きていけるのと…。
一度記憶が消えてしまっても、運命の相手なら、きっともう一度恋に落ちるでしょう。
でも、私は好きな人と過ごしたふたりだけの記憶が心にあることって、人生の中でとても幸福で、何度もその記憶に酔いしれたり助けられたりすると思う。
千昭の決断、よく分かりますし、とても美しいと思いました。
そのおかげで、ふたりは絵を通して時空を超えた会話ができるのですから。
また、時は二度と戻りませんが、それでも、時は巡るものだと考えたら…
時空を超えて、二人がいつか同じ時に生まれてくるということもあるかもしれません。
どんな形であれ、私はふたりにもう一度会ってほしい、会えるのだと信じたいです。
それが運命というもので、私たちもそうして時空を超えながら生きているのではないでしょうか。
『時をかける少女』絵は未来から持ってきた？ふたりはまた会える？まとめ
ケン・ソゴルや千昭が生きる６００年以上先の未来は、私たちの想像を絶する程、世界が崩壊しかけているのかもしれません。
それを和子や真琴にあえて伝えないというのが、このシリーズの凛としてやさしいところだと思います。
絵って、すごいですよね。
匂いも似ているかもしれませんが、絵って見たときの気持ちや季節、一緒に見た人との会話や雰囲気を鮮烈に思い起こさせてくれる起爆剤のようなところがあると思います。
白梅ニ椿菊図が、絵として未来の様子や、未来を守らなければならないという使命感、でも大丈夫だよ、という安心感を表現しているものだとしたら、それは観る人に一目で多くのメッセージを届けることができるのではないでしょうか。
特に真琴から千昭に向けて届いたら、それは時空を超えた、人生をかけた「愛してる」であり、それはふたりにしか分からないメッセージ。
それをこの絵で伝えることができるのって、すごく素敵です。
また、崩壊しそうな世界からタイムリープしてきた千昭がすごした現代って、どれほど美しく輝いていたのでしょう。
普通に暮らして、普通に友達と遊んでケンカして、空は青くて風は爽やかで、夏は暑くて…
そうして一人の女の子に恋をして。
私たちの普通の日々が、彼にどう映ったのかを想像すると胸が痛くなります。
そして、今この時を大切に噛みしめたい！と思わせてもらいました。
時は戻せないけど、時に何かを失わせてはいけませんね。
未来がよりよくなるように、今を生きたいと思いました。
そして、真琴の行動で少しでも、千昭の住む未来はよりよく変わるのでは？と期待を込めて締めくくりたいと思います。
夏が来る！
時をかける少女をもう一度観たいです！
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