エルピスは実話?モチーフとなった実在事件と参考文献について

エルピス
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エルピスは実在した事件をもとに作られたフィクションです。

エルピスのモチーフとなった実在事件は複数に渡り、参考文献も公表されています。

 

この記事では、エルピスは実話なのか?と言う疑問と、実在した事件や参考文献について解説しています。

エルピスは実話ではないが、実在した事件をもとに作られたドラマ

エルピスは冤罪で死刑判決を受けた男性にまつわる謎を、周りの様々な立場の人が真実と向き合い、希望を見出していくドラマです。

政治と報道という難しい問題をテーマとし、真実を真実だと伝えるという当たり前のことが阻止され、そのために多くの人が犠牲になっている…というリアリティさから「実話?」と話題になりました。

 

しかし、エルピスは実話ではなくフィクションドラマです。

ただ、複数の実在事件をもとに作成されており、構想から放送に至るまで、なんと6年もかかっているそうです!

それだけ、報道と同じく世の中になかなか出しにくい内容ということなのでしょう。

 

エルピスでは、実際にモチーフとなった実在事件の参考文献が紹介されているので、紹介します。

エルピスの参考文献 実在した冤罪事件の数々

エルピスの参考文献を紹介します。

エルピスの参考文献①『冤罪 ある日、私は犯人にされた』

まさしく、松本さんのモデルでは?と思われる人物”菅家利和さん”の著書。

菅家さんはある日突然、女児誘拐と強姦殺人の容疑で逮捕されてしまうのですが、冤罪でした。

現在は釈放されていますが、無罪と認められるまでに17年もの月日が経っています。

 

無罪となった時には「申し訳なかった」と、検察側が謝罪をするという異例の事態となり、”ルパン”と呼ばれる真犯人は特定できたものの”時効”という理由で逮捕されていません。

そこには、エルピスのように明るみにできない事情があるのでしょうか…?

 

DNA鑑定についても詳しく触れられている一冊です。

 

エルピスの参考文献②『訊門の罠 足利事件の真実』

菅家利和さんと、菅家さんの弁護士を務めた佐藤博史さんが、塀の中と外で戦い続けた記録です。

菅家さんが執筆した章には、菅家さんが冤罪で逮捕されてからの17年間の真実や想いについてが綴られており、佐藤弁護士の章には、DNA再鑑定に持ち込むまでの経緯と苦悩や葛藤が綴られています。

 

冤罪で逮捕されるまでに至った経緯として、菅家さんは自白したのではなく、させられたのです。

なぜ、してもいないことをしたと言わなければならなかったのか?言ってしまったのか…?

本書にはそこへ追い込まれてしまった、心優しい男性がはまった訊問の罠とも言える全貌が書かれています。

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エルピスの参考文献③『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女殺人事件』

ジャーナリストの清水潔さんが群馬、栃木県境で起きた5件の幼女殺害・失踪事件の真犯人について綴ったノンフィクションです。

清水さんは、エルピスの岸本のモチーフとなった人物でしょうか。

 

 清水さんは現場を何度も訪れ、目撃証言をもとに不審な男の存在にたどり着きます。

その男が真犯人なのか?と、真実を追っていく過程は、緊張感の連続でまさに事実は小説より奇なり。

実在した事件というのですから、本当に恐ろしいことです。

 

一度読むとノンフィクションにハマってしまった!という人も多い作品で、警察の誤認逮捕やDNA鑑定のずさんさにも焦点が当てられており、エルピスと合わせて読むとより楽しめる一冊です。

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エルピスの参考文献④『足利事件 冤罪を証明した一冊のこの本』

この本の著者である小林篤さんは「月刊現代」誌上で菅家さんの無実を訴え続けた記者。

小林さんは、この本によってずっと、菅家さんの冤罪と真犯人の存在について証明をしていました。

そもそもなぜ、足利事件が起きたのか?そしてなぜ、菅家さんが逮捕されなければならなかったのか…。

 

綿密で丁寧な取材で、事件の裏に潜むものを解き明かし、公表し、菅家さんの釈放のきっかけとなった一冊です。

 

エルピスの参考文献⑤『刑事弁護の技術と倫理 刑事弁護の心・技・体』

佐藤博史さんが解く、刑事弁護の技術と倫理について。

捜査、公判、上訴、再審という刑事弁護の諸相ごとに具体的に解説されており、弁護士としての専門書に近い一冊です。

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エルピスの参考文献⑥『冤罪 足利事件「らせんの真実」を追った』

2009年10月から2010年8月にかけて下野新聞紙上で長期連載した「らせんの真実 冤罪・足利事件」を書籍化したもの。

下野新聞では、被害者遺族の悲痛な叫びや冤罪の温床とされる見込み捜査の実態、裁判官の検察過信などを連載してきました。

 

このような連載は、エルピスで登場する新聞記者・佐々岡が未来に成し遂げるであろうことを彷彿とさせます。

警察や弁護人ではなく、被害者の遺族の声や実態、また菅家さんを救い出す活動をしていた方々についても記載されており、より身近にこの冤罪事件を見つめることができる一冊だといえます。

 

エルピスの参考文献⑦『東電OL殺人事件』

実在した冤罪事件「東電OL殺人事件」について、ノンフィクション作家の佐野眞一さんが綴った一冊。

被害女性は、昼間は東電のエリート社員でありながら、夜は売春婦として街をさ迷っていました。

そして、彼女は何者かに殺害されてしまい、そこで逮捕されたのは出稼ぎに来ていたネパール人男性・ゴビンダさんです。

 

ゴビンダさんは15年後、冤罪が認められて無罪となるのですが、そこで明らかになったのはずさんな警察によるDNA鑑定と捜査内容でした。

犯人の血液型とゴビンダさんの血液型は異なっていたのに、犯人とされ、15年もの間母国に帰ることもできません。

真犯人は未だに捕まっておらず、ゴビンダさんは外国人だという理由で、都合がいいため犯人にされたのか?

 

なぜ犯人は逮捕されないのか?大企業・原発などのしがらみについても考えさせられる一冊です。

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エルピスの参考文献⑧『21世紀の再審 えん罪被害者の速やかな救済のために』

2000年以降の再審事件の内容と争点、諸外国の制度の研究と併せて、あるべき刑事再審制度を日弁連が提唱した一冊です。

 

 

エルピスの参考文献⑨『偽りの記憶「本庄保険金殺人事件」の真相』

八木茂さんは二人の殺害と一人の殺人未遂容疑で、死刑判決を受けており、今も服役しています。

八木さんが逮捕されるにあたり、物的な証拠は一切なく、きっかけは3人の愛人による自白のみ。

この本では、3人の被害者は病死や自殺、薬物中毒であり、八木さんは無実だという内容を500ページにわたり立証しています。

 

そして、愛人たちは警察官と口裏を合わせて八木さんの殺害ストーリーを捏造し、逮捕に追い込んだ。

さらに、愛人ひとりにおいてはそのストーリーを心から現実として信じてしまっている…というまさに「偽りの記憶」ともいえる、自白強要の恐ろしさを物語っています。

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