星新一の不思議な短編ドラマ『逃走の道』あらすじネタバレ＆感想　「ゾクゾクしますね」＆「別れの曲」が物語る恐ろしすぎる結末

星新一の不思議な不思議な短編ドラマシリーズ『逃走の道』は、村杉蝉之介さんとコウメ太夫さんが宝石泥棒として登場。

隠れていた列車が急に走り始め、中には異様な光景が…さらには加速し続ける列車に、泥棒はパニック状態です。

果たして、列車の行き着く先と男たちの運命とは？

この記事では、星新一の不思議な不思議な短編ドラマシリーズ『逃走の道』のあらすじネタバレ＆感想を紹介します♪

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星新一の不思議な不思議な短編ドラマシリーズ『逃走の道』あらすじネタバレ

本日です！
7月13日（水）22:45〜23:00地上波NHK総合にて再放送！

星新一さんの『逃走の道』映像化を監督致しました。

話題となったコウメ太夫さんの芝居もお見逃しなく。

出演／村杉蝉之介・コウメ太夫・大塚ヒロタ・影山徹・竹井亮介 pic.twitter.com/yFLSPYaNYt

— 渋江修平／SHUHEI SHIBUE (@SHIBUE_SHUHEI) July 12, 2022

星新一の不思議な不思議な短編ドラマシリーズ『逃走の道』のあらすじを紹介します。

ふたりの宝石泥棒が隠れた列車には、ある秘密が…？

ある夜、あるふたりの男(村杉蝉之介とコウメ太夫)が、逃走していました。

ふたりは宝石泥棒をして、ある駅に身を隠します。

最終列車が出てしまえば、駅には誰もいなくなる…それまでひっそりとそこへ隠れておくつもりでした。

しかし、駅員が巡回をし始めたので、ふたりは慌ててすぐそばの列車に乗り込みます。

トイレに身を隠し、駅員の巡回が終わるまで待とうとしたのです。

ドキドキしながら身をひそめるふたり…幸い、見つかることはなかったのですが、ここで列車が急発進します。

ふたりは驚きますが、倉庫に戻るのか…はたまた臨時の夜行列車なのか？

なぜ列車が発進したのかは分かりませんが、こうなれば自分たちはただの乗客と、男たちは好都合に思うのでした。

早速トイレから出て、列車の様子を眺めるふたり。

しかし、この列車には、ある異様な雰囲気が漂っていました。

そしてショパンの『別れの曲』が流れ出します。

突然走り出した異様な列車…乗客は全員〇〇だった！

列車に漂う異様な雰囲気の理由…それは、乗客が全く動かないことでした。

男たちは座席の後方から乗客を眺めますが、誰一人動かず、会話のひとつも聞こえません。

それはあまりにも不気味で、この列車が普通の列車ではないことは明らかでした。

男たちは恐る恐る、乗客の様子を確認します。

すると、乗客たち全員が、なんと人形だったのです。

男女、子ども、様々な人形が列車には座っており、中には本物のワインで乾杯している様子のカップルまでいます。

男たちは、なぜ大量の人形が列車に乗せられているのかが分からず、次第に恐怖心が増大していきました。

運転席に行けば誰かいるはず！そう考えたふたりは運転席を目指しますが、なんと、運転手も人形です。

そして外部通信できそうな受話器があり、ここで連絡してしまえば自分たちは捕まってしまうと分かっていながらも、あまりの恐怖についに受話器を上げてしまいます。

しかし外部には、繋がりませんでした…。

どんどん加速する列車、尋常ではない速度でトンネル内を滑走すると、まるで異次元にでも連れていかれるかのような感覚に陥りました。

男たちは叫び声を上げ、人形たちに「助けてくれ」と殴り掛かり始めます。

揺れ動く列車、飛び交う人形の中、『別れの曲』は、穏やかに流れ続けています。

異様な列車の正体と、男たちの運命

列車内がパニック状態の中、外では列車の開発チームが双眼鏡で男たちの乗る列車を眺めていました。

この列車は、実験に使われていたのです。

その実験内容とは、最高速度で走らせた状態で急停止した場合、乗客にどれほどの被害が及ぶのか？というもの。

列車内には生きた人間と同じ重さの人形を座らせて置き、急停止した後にどれほどの損傷が人形にあるかを調べ、その結果をもとに列車開発に活かすのです。

開発チームの面々は、その説明を聞きながら「なるほど」と感心した様子で、やってくる列車を眺めていました。

そして、男たちの乗った列車がついにやってきます。

「来ました！」

列車内は変わらず、男たちがパニック状態となり、「助けてくれ」と言う叫び声と共に人形が散乱していました。

開発チームのひとりが、急停止ボタンを押します。

メンバーは爆発音のようなものを上げて急停止する列車を、輝くような瞳で眺めました。

止まった瞬間、「お～！」という歓声が上がり

「ゾクゾクしますね」という女性の台詞と共に、『別れの曲』が静かに終わるのでした。

星新一の不思議な不思議な短編ドラマ『逃走の道』感想

なんとも後味の悪い悲喜劇。

コウメ太夫さんが演じる泥棒は、まるでヨーロッパのブラックコメディでも見ているようで、何とも言えない味がありましたね。

演技力高い！かっこよかったです。

作中に流れる『別れの曲』が、非言語で男たちの結末を物語っていると思うのですが、何が何だか分からずに加速する謎の列車。

異次元まで連れていかれるとでも思っていたでしょう。

急停止と共に、静かに鳴り終える『別れの曲』。

男たちの結末を物語っています。

「ゾクゾクしますね」

まさにそれ。

結末までは喜劇的であり、ゾクゾクする程恐ろしい結末でした。

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