『元彼の遺言状 』英治は生きている?富治と入れ替わっている?小説「そしてだれもいなくなった」の意味

2022年春ドラマ
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ドラマ「元彼の遺言状」栄治は本当に亡くなっているのでしょうか?
第2話では、麗子が事務所に戻ったシーンで、古本屋のおじさんが呼んでいた小説「そして誰もいなくなった」が印象的でした。

 

その小説には、どんな意味があり、伏線となるのでしょう?
もしかしたらこの小説の内容がヒントとなるかもしれません!

 

この記事では、「そして誰もいなくなった」原作の内容と、もしかしたら栄治は生きている?富治と入れ替わっているのか?という考察について解説します。

ドラマ元彼の遺言状で「そしてだれもいなくなった」の意味深なシーン

小説「そして誰もいなくなった」が登場する意味深なシーンは、第2話のラストです。
栄治を殺害した犯人は無事逮捕され、東京の事務所へと戻る麗子。
その1階には古本屋があり、そこには不愛想なおじさんがいるのですが…

 

そのおじさんがこの日読んでいた小説は、アガサクリスティの「そして誰もいなくなった」です。
そしてそのシーンが妙に意味深に写され、何らかの意味があるに違いない!と思わされます。

 

その後麗子が事務所へ入ると…
バディとなる篠田がいるという展開です。

「そして誰もいなくなった」→篠田

なんか、奇妙じゃありませんか?

 

アガサクリスティと言えば、「ねじれた家」の作者でもあり、栄治の最後の暗号「いさんは…」はこのねじれた家に書かれていました。
さらに、「そして誰もいなくなった」の内容を知ると、もっと怖くなってきます。


これは伏線なのか?

ドラマ版はどういう方向へと進んでいくのでしょうか…?

「そして誰もいなくなった」小説のあらすじ

「そしてだれもいなくなった」は、1953年に刊行されたアガサクリスティ作の長編ミステリー小説です。
あらすじをざっくりとお伝えすると…

 

10人の男女が、ある夫妻からの招待状で絶海の孤島へ集められます。
しかし、待てど暮らせどその夫妻は現れません。
そして、メンバーの一人が亡くなっているのを発見!

 

その後、メンバー全員がこれまで犯した罪が、蓄音機で流されます。
集められたメンバーは、法では裁けないけれども、重罪を負ったたちだったのです。

そして、そこにいる10人は「10人のインディアン」という童謡を連想させるような方法で始末されていきます…。

と同時に、10個あったインディアン人形がひとつずつなくなっていくのです。

そして最終的には10人全員がいなくなってしまい、結局誰もいなくなったという結末になるというお話です。

「十人の小さな兵隊さん」
小さな兵隊さんが10人、食事に行ったら1人が喉につまらせて、残り9人
小さな兵隊さんが9人、寝坊をしてしまって1人が出遅れて、残り8人
小さな兵隊さんが8人、デボンへ旅行したら1人が残ると言い出して、残り7人
小さな兵隊さんが7人、薪割りしたら1人が自分を割ってしまって、残り6人
小さな兵隊さんが6人、丘で遊んでたら1人が蜂に刺されて、残り5人
小さな兵隊さんが5人、大法官府に行ったら1人が裁判官を目指すと言って、残り4人
小さな兵隊さんが4人、海に行ったら燻製ニシンに食べられて、残り3人
小さな兵隊さんが3人、動物園に歩いて行ったら熊に抱かれて、残り2人
小さな兵隊さんが2人、日向ぼっこしてたら日に焼かれて、残り1人
小さな兵隊さんが1人、1人になってしまって首をつる
そして誰もいなくなった— 原作の日本語訳

「そして誰もいなくなった」のこわいところ

この小説のこわいところは、絶海の孤島に閉じ込められて、絶対に逃げることができない中、首謀者がすぐ近くにいて、さらに正体は分からないということ。

 

常に自分以外の人間を疑わなければならないため気が狂っていく10人の男女。
そして、やらなければやられる!!という恐怖心でやり合いになる者もいれば、命を奪った罪悪感で自ら命を絶ってしまうまで追い込まれる(実際には犯人に仕向けられるのですが…)者もいます。

 

でも、そこにいる全員が、最終的には亡くなってしまい、誰もいなくなってしまう…。
一体犯人は誰なのか?
もしかして、11人目がいる?

警察も解決ができず、事件は迷宮入りしそうになります。

「そして誰もいなくなった」黒幕は誰?

「そして誰もいなくなった」の首謀者は、被害者の一人だと思われていた、招待客の一人でした。
彼も始末されてしまうのですが、それは見せかけで、招待客のひとりだった医師に「自分は被害者になったことにして、いないはずの者として犯人を捜す」と提案。

 

そうして検死を偽装させるのです。
で、その後その医師も彼に騙されて被害者となってしまいます。

 

彼の持つ絶対的な正義感は、罪を犯した者に制裁を加えたい!という強い使命感となり
さらには、快楽的ないわばサイコパス的要素も合わさり、このような事件を起こしてしまいました。

 

法では裁けないものを、自分の手で裁きたかったのです。

「そして誰もいなくなった」の黒幕は、どうなった?

犯人は、その後自分の犯行を手記にしてボトルに詰め、海へと流します。
そして自ら、命を絶つのです。

このボトルをある漁師が拾うところから、この件の全容が明らかとなっていきます。

 

彼は、なぜ自ら命を絶ってしまったのか…
それは、彼にはもともと病気があり、もう長くは生きられない状況でした。

 

そのため、最後は自分の好きなこと、やりたいことをして、一生を終えようと決意したのですね。
一生の終わりを目の前にして、このような猟奇的な行動に出てしまった…というお話でした。

元彼の遺言状で「そして誰もいなくなった」が意味するものとは?

「いさんは…」に続く暗号が書かれているのではないか?

堂上が逮捕されて、事件は解決。
篠田は栄治が最後に暗号を書いた「ねじれた家」を本棚に戻します。

これは、この回は一旦区切りを終えたという意味。

 

次は「そして誰もいなくなった」へと続く…。

「いさんは」の暗号の謎は、結末までに解かれなければいけません。
その続きが、もしかしたら「そして誰もいなくなった」に書かれているのではないでしょうか。

 

もしかしたら、アガサクリスティ等の有名な著者のミステリー作品が次々と登場し、栄治が本当に伝えたかったことが最後に分かるのかも。

この事務所も栄治が麗子に贈ったものですし、1階が古本屋って…ねぇ?

出来すぎというか、ミステリーサークル出身の栄治と篠田に、何らかの関係があるとしか思えません。

栄治は生きている?

栄治が亡くなったのは偽装で、実は生きているのではないか?とも考えられます。
「そして誰もいなくなった」の犯人は、死因を偽装して、そのまま暗躍し続けました。

 

実際森川家の人間は栄治の検死を偽装した…と語っていたところもありますし、なんとでもできたのではないかと思います。

死因の偽装どころか、実は死んですらいない。
栄治はお金の力で、見せかけたのではないか?

 

そして、自分の筋書き通りに人々が動いていくのを楽しんでいるのではないかとも考えられます。

亡くなったのは、兄の富治なのではないか?

原作と大きく違う部分のひとつに、栄治と富治がそっくりだという点があります。

原作では、兄の富治とは全然似ていないのです。
にもかかわらず、わざわざ生田斗真さんに一人二役をさせた理由は一体何なのでしょうか?

 

第1話では、麗子が人違いをするほど、富治は栄治にそっくりでした。

もしかしたら、実は亡くなったのは富治で、栄治は富治になりすましている…とも考えられます。

 

もしくは、麗子と出会ったときには既に入れ替わっていた!?
という声も。

栄治の代わりに死ぬというのが、最大のポトラッチ説もありそうです…。

『元彼の遺言状』に登場する『そして誰もいなくなった』まとめ

法では裁けない悪人への制裁と、弁護士という麗子の職業がテーマに?

「そして誰もいなくなった」の被害者は全員、法では裁けないが、許すことのできない大きな罪を犯した悪人でした。
栄治にとって森川家の人々は、法では裁けないけれども、絶対に許すことのできないことをした人たちだったのかもしれません。

 

皮肉にも麗子は弁護士で、法を用いて人々を守る仕事をしていますが、そんな麗子にも裁けない悪人っていると思うのです。

その「法」が、結び付けられているのではないかと思います。

ドラマ版での栄治の復讐は、いったいどんな形となるのでしょうか?

森川家の話は終わっていないはず!
次回も楽しみです♡

 

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